ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン


あまり知られていないことだが、人体に放射線を照射することは医師と歯科医師診療放射線技師だけに認められた業務である。


私が学んだ診療放射線技師の専門学校では、当時学科長だった先生の最初の授業でこれから診療放射線技師を志す者が絶対に覚えておかなければならない人物としてヴィルヘルム・コンラッド・レントゲンの名前を挙げられた。


その先生がおっしゃるにはレントゲンが「X線」を発見したからこそ、私たち診療放射線技師の今があるのだという。したがって、これから診療放射線技師を志す者もレントゲンに対する感謝の気持ちを忘れてはならないと熱く語られた。


レントゲンは放電管を用いて陰極線の研究をしている時に偶然にも未知の電磁波を発見した。そして、未知の物だからこそ仮に「X」と付けて「X線」と名付けた。


また、レントゲンが偉大だったのは自分が発見したX線に関して特許を取って個人的な利益を全く得ようとしなかったことである。このため、X線はただちにX線写真として医学に応用され、医学の発展に多大なる貢献をした。この功績が認められ、第1回ノーベル物理学賞はレントゲンが受賞している。


毎年2月10日がレントゲンの命日である。前述の先生はこの日だけは絶対に忘れるなと念を押して最初の授業を終えられた。