人の好きなものにケチをつけないでください
私はこむらさきのラーメンが大好きである。
父親が好きだったので家族で天文館へ買い物に行った時や映画を観に行った時にはたいていこむらさきでラーメンを食べてからお家に帰っていた。私にとってこむらさきのラーメンは思い出の味でもある。
父親が亡くなった今でもたまに食べたくなって1人で食べに行く。母親と天文館へ買い物に行った時も帰りに食べて帰ってくることがある。
のだが……
私がこむらさきのラーメンが好きだというとたいてい周りの人からこう言われる。
「こむらさきかあ。あれはラーメンじゃなくてそうめんだよ」
そう言われた私はまるでこむらさきのラーメンが好きであることがいけないことのような錯覚に陥る。だから最近は好きなラーメン屋を聞かれると「いや、あれはラーメンじゃない、とおっしゃる方もいらっしゃるんですけど。私はこむらさきが好きです」と答えるようにしている。こちらから先に予防線を張っておくのだ。
私は不思議でたまらない。なぜ、好きなラーメン屋を質問しておいて私がこむらさきと答えると「あれはラーメンじゃない」とケチをつけるのだろう。人が好きだと言っているものをなぜけなすのだろう。「ああ、そうなんですね」でいいではないか。
こむらさきは「ラーメン専門店」である。
だから、こむらさきで出てくるのは絶対にラーメンなのだ。決してそうめんなどではない。
何と言われようとも私はこむらさきのラーメンが大好きである。