目が見えん!
自分は「老眼鏡」などというものとは生涯無縁の生活を送るのだと思っていた。
目を細めたり、遠ざけたりしながら書類やスマホを見ている人を心の中で小馬鹿にしていた。
「ハズキルーペ」は別次元の人たちの道具なのだと信じていた。
……はずだった。
ふと気がつくと自宅で新聞や本を読んだりする時に字が霞んでいるような気がした。仕事の時も書類に記載されてる文字が霞んでいるような気がした。
気がしただけだったのできっと疲れているからだと自分に思い込ませていた。
だが、霞んでいるだけではなくだんだん見えなくなってしまったのである。
字が見えなくなると今度は読むのが嫌になってくる。そんな気持ちを何とかしたくて意を決してJINSへ向かった。
「近い所が見えなくなってきたような気するのですが……」と言って視力検査をしてもらったところ……
完璧な「老眼」になっていた。
検査用のレンズで近くを見たところ、いやいや見える見える。はっきりとくっきりと字が見えて忘れかけていた視界を取り戻した。
こんなに簡単に視界を取り戻せるのであればつまらない意地など張らずにもっと早くメガネを作りに来れば良かったと後悔した。
ちなみにJINSには「中近両用」というメガネもあるのだが、すっかり遠近両用メガネが気に入ってしまった私は家の中ではあまり遠くを見ることはないのでこの中近両用のメガネも作った。お家にいる時はこのメガネをかけて快適に過ごしている。私のようにウダウダと迷っているのであればすぐに作りに行くことをお勧めする。
「老い」ない人などいないのだ。「事実を事実として受け止める」ことが「老い」と付き合っていくためには大切なのだと改めて思い知らされた。「老い」ることは決して恥ずかしいことではない。